2020年のゴールデンウィークが始まりました。ゴールデンウィークは毎年全国各地で大きなイベントが開かれますが、もちろんほとんどは中止。地域経済の一層の停滞が容易に想像でき、とても暗い気持ちになります。その中で、ひとつ気になった企画がWEB有田陶器市です。中小企業支援としての、新しい取り組みなのではないでしょうか。
(ちなみに私は大のお皿好き…)
WEB有田陶器市
開催期間 2020年4月29日(水)~5月5日(火)
有田陶器市とは?

WEB有田陶器市のプレスリリースから転載
有田陶器市とは、毎年ゴールデンウィークに九州は佐賀県にある陶磁器の里・有田で開催される、超人気イベントです。
全国から集まる来訪者はなんと約120万人!開催期間はちょうど1週間なので、多い日には25万人もの人があの小さな町に集まります。
ちなみに有田町の人口は約2万人ですので、陶器市が町の人にとって特別なイベントであるということがうかがい知れますよね。
私もかつて一度だけ訪れたことがありますが、それはそれはすごい熱気でした。買う気満々の群衆の迫力はすごいと感銘を受けた記憶がよみがえります。
その陶器市が、2020年は中止となりました。
ワールドワイドなコロナウイルスの流行と、それにともなう非常事態宣言のただ中ですので、「しょうがない。」とは思いながら、地元で窯業に携わる方の落胆はいかばかりかと思います。
陶器市は、重くてかさばる大量の在庫をキャッシュに換える大チャンス。しかも客は、自分たちのところまでわざわざ買いに来て持って帰ってくれます。高いお金と運送料を払ってどこかの大都市に出店したり、煩雑で気を遣う梱包&配送の手間もまったく無し。しっかり売れれば、控えめに言っても最高ですよね。
その大チャンスが今年は無い。
そもそも陶器市ありきでビジネスを考えている窯元も多いはず。まさに事業の継続危機に陥ってしまっているところも出てきているのではないでしょうか。
WEB有田陶器市とは?
有田陶器市のWEB版です。
要は各店舗ECの寄せ集めなのですが、“陶器市”と銘打つには理由があります。
ポイントは下記大きく2つ。
・配送料無料
・ふるさと納税
2000円以上購入すると配送料は無料!
陶器市といっても、品定めや購入は各窯元のオンラインショップで行います。
通常オンラインショップで購入した場合の送料は店舗ごとに定めており、重くて壊れやすいという商品の性質上、有料の場合が多いです。無料となる場合も「1万円以上購入した場合」など、ハードルが高いところが多い印象です。
(有田焼で1万円なんてすぐ超えちゃうんですけどね…)
それが、今回のWEB有田陶器市の参加店舗であれば、期間中の発送料は無料!
2000円以上という条件はつきますが、せめて[商品の購入代金>配送料]を条件としたいと考えるのは当然なので、妥当なところではないでしょうか。
今回私が気になったのは、この配送料を負担するのが有田町であるというところです。
財源は国からの交付金なんだろうと思いますが、例えば例年の来場者の5%がそれなりの量を購入し、1梱包あたり1800円だと仮定すると、配送料の合計は1億円を超えます。
有田町の令和2年予算(歳出)は約115億円、商工費に限定すると2.6億円です。
配送料以外の経費や、そもそも陶器市のために準備していた無駄になった経費を考えると、すでに年間予算の2.6億円と言う金額は消化し尽くしつつあるのではないでしょうか。
地元の企業や商工会議所からの陳情があったことは想像できますが、この大きな決定がスピーディーにされたことに驚きました。
ふるさと納税陶器市が同時開催!
さらにWEB有田陶器市と期間を同じくして、ふるさと納税陶器市が開催されます。
つまり、陶器市の買い物をふるさと納税の返礼品とすることができるということです。
商品はふるさとチョイス等のふるさと納税サイトの中に特設スペース内にあげられているものの中から選ばなくてはならず、WEB有田陶器市よりも商品数は限られてしまいます。
それでも、コロナで苦しむ地場産業支援、もしくは上記のWEB有田陶器市に関わる財源の確保という観点で、とてもおもしろい取り組みだなと感じました。


源右衛門窯/染錦蕪絵 銘々皿
こちらは我が家の宝物。
有田で一番好きな源右衛門窯の通称・カブ皿です。
おしまい
WEB有田陶器市はとてもよい企画です。今気になっているのは、この企画の結果です。この結果、つまり売上がどの程度あがるのかは、各窯元の今後の事業計画を大きく左右することになるのではないでしょうか。窯元によってビジネスモデルは細かく異なりますが、よりECをうまく使える企業が、こういった不測の事態におけるリスクを低減できるということの証明になるからです。
いま改めてBCP(事業継続計画)が注目を集めていますが、中小企業や小規模企業にとって、WEBを活用した事業のデジタル化や、財務体質の強化は、これまで以上に重要な課題になっていくはずです。
一緒にがんばりましょう。
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