【事例1】の再現答案と振り返り!|令和5年度 中小企業診断士試験 二次試験

令和5年度 事例1 試験のこと

2023年10月29日(日)に中小企業診断士 二次試験を、東京エリアで受験してきました。とても疲れました。
記憶が生暖かいうちに、再現答案の作成と試験中に考えていたことなどをメモしておこうと思います。結果は2ヶ月後。焦らされすぎてつらいです…

他の事例の再現答案はコチラから。

令和5年度【事例Ⅱ】の再現答案
令和5年度【事例Ⅲ】の再現答案
令和5年度【事例Ⅳ】の再現答案

事例Ⅰ|再現答案です

再現度は90%くらいかな?時間的にはそんなにカツカツだったわけではないけど、時間が余ったらやりたかった第3問解答のリライトまでは辿り着けず。

令和5年度 中小企業診断士試験
二次試験 【事例Ⅰ】再現答案


第1問
①看板メニュー蕎麦、高品質サービス、有能社員と高定着、企業風土
②原材料の高騰と未来の仕入れ不安、固定客の高齢化、駅からの遠さ

第2問
①蕎麦への商品絞り込み②地元のファミリー層にターゲット絞り込み③出前廃止や個室やボックス席の提供などサービス絞り込み等によって差別化。狙いは、経営資源の集中により高付加価値化することによる売上拡大。

第3問:
留意点は①取引先に配慮しX社の強みである地元産の高品質材料の仕入れが維持できる努めること②前向きな企業風土を浸透させられるかの検討③想定しているシナジーが発揮できるかの検討④簿外債務の有無確認である。

第4問:
(設問1)
①社長が会社として目指す方向性を明示②会社をまたいだ人員配置の流動化によって交流を促進③X社社員へのOJT等の教育や権限移譲により能力向上。以上により全社のモラール向上により組織の活性化を実現。

(設問2)
公共交通機関で訪れる外国人観光客や若者に対し、高品質材料による蕎麦中心のメニューを駅前店舗を拠点に提供する。SNSを活用して双方向交流し収集したニーズはメニュー開発に活用。以上で差別化し顧客獲得し売上拡大。

※転載不可です

振り返り|出たなPMI!準備は、万端ではなかった…

出たなっ!!!

初めての二次試験。

会場は約3ヶ月前の一次試験と同じ立正大学だったので、空いていてくつろげるトイレの場所は確認済み。安心安心。最寄りの西巣鴨駅に到着したのは8:45頃、交差点のセブンイレブンで水分と軽食を入手して試験会場へ。9:15頃に部屋に入ると、もうほぼすべての席に受験者が。早いなぁ…

バタバタと席を探し、着席して持ち物を整理して一息着くと、すぐに試験管がご入室。緊張する間もなく問題用紙が配られ、あっという間の「試験をはじめてください」で二次試験スタート。

与、与件文がながい!!!

開始の合図と共にまずは問題用紙をめくり与件文を確認すると、3ページ超の大長編。これは私が解いた過去10年ちょっとの歴史でも最長レベルではあるまいか。A社は老舗蕎麦店とのことなので、事業承継なんかがテーマになるかななんて思いつつ、問題文の確認に移行しました。

必ずしも問題順通りに解答をつくるわけではないけれど、以下は問題順に考えたことの覚え書きをつらつらと。

第1問|統合前のA社の①強み②弱み

シンプルに強みと弱みを聞いてくれたからホッとするも、「統合前」という時制の設定で背筋が伸びる。

強みはたくさんあって選択に困った。一方弱みは限られるので、バランスを取るのが意外と難しい… 最終的にはその後統合するX社にはないものや、最終問題(今後の戦略)で活用する要素を優先し、30文字に「看板メニュー」「高品質サービス」「企業風土」などのキーワードを採用。大活躍している社員についてや、従業員のモラールの高さなどをどう入れるか悩んだ挙句、「有能社員と高定着」という聞いたことのないギリギリ有り(私判断)な表現で詰め込みました。

弱みはほぼピックアップしたすべてを記述。「固定客の高齢化」という受動的な表現を、「新規顧客の獲得力が低い」といった感じでベクトルを変えるか、はたまた抽象度を上げるか少し悩んだ。

この点は、後ほど拝見したまとめシートの野網先生の解答に「新たな顧客層の取り込みが不十分な点」という記載があり、少々後悔…

第2問|先代経営者との戦略上の差別化とその狙い

これまた与件文に直接的な表現があったの書くべき内容はすぐに検討がついた。でもやはりここでも書くべき要素が与えられた文字数(100字)以上に発掘できてしまい、絞り込みが難しい。さらに制約条件と問われている内容が「先代経営者と比べて」「戦略上の差別化」「狙い」と多く、文章構成も悩ましい。

結果、“絞り込み”という表現で差別化前後を比較することで制約条件をクリアしたと見なし、狙いの部分はシンプルにその絞り込みよって実現できる効果を記述して解答をFIX。

絞り込みの内容を、「商品」「ターゲット」「サービス」と3つ併記したけど、これは別にフレームワークでもなんでもなく拾い集めた要素にラベリングしただけ。うーんどうだろう。

狙いに「経営資源の集中」や「高付加価値化」といった大事そうなキーワードを入れられたので大外しはしていないと思っているけど、こういった比較を問われた場合の鉄則として変化前の要素を明示的に書いていない点が不安。「先代が行っていた総花的なメニュー」とか書いてない。

でも他に書きたいことあったんだからしょうがない。あまり後悔はないです。

第3問|経営統合に先立つ留意点について

与件文を読み進めている最中から身体の内側が泡立っていました。PMIが出た!!!

この二次試験準備の2ヶ月間、独学者なりに情報収集をするなかで目にした「PMIが出そう」という噂や予言。まったく異論はなかったものの、事例Ⅳの勉強時間捻出のためにしっかり取り組んでいなかった。そう、気にはなっていたけど、準備はまったくしていなかった。

後悔。。。

でもしょうがない。ここまで来たら、与件文と向き合って、この場で解決していくしかない。

第3問で問われているのは、経営統合前の留意点。経営統合前というのは、経営統合自体はもう決まっているのか、それとも経営統合を決断する際に留意すべき点を指摘すればよいのか、わからない。。。

さらに第4問の(設問1)では、「どのように組織の統合を進めていくべきか」と聞かれている。これこそ「経営統合の留意点」ではないのか。わからない。。。

しばらく考えたものの、よくわからなかったので“経営統合を最終的に決断する直前”と割り切った。でも、ほぼ統合は決めている…、くらいのステイタスをイメージ。。。笑

とにかくA社の弱みを本当にX社が補ってくれるのか、シナジーが生まれるのか、が経営統合の肝なことは確かだと思うので、「X社経営者の個人的なつながり」にはまず対処。あとた「〜浸透させられるかの検討」「〜発揮できるかの検討」みたいなふんわり指摘でお茶を濁してみました。「簿外債務の有無確認」はここで求められていないと思ったけど、文字数余ったので書きました。

試験後に、「X社の正社員やアルバイトから退職に関わる相談」という記述がもくもく存在感を増してきて、このあたりにフォーカスすべきだったかともやもや…

でも正直よくわからなかったから、あんまり悔いはないっす。

第4問(設問1)|経営統合課程のマネジメントについて、組織統合の進め方

まさにPMIのド本丸設問。

一次試験で最後に残した一教科が[中小企業経営・中小企業生産]という間抜けな独学受験生なので、半年前に中小企業白書は読んだ。その時にPMIガイドラインの存在も認識していた。でもじっくり読むことまではしなかった。

後悔先に立たずってのはこのことかと自分を恨みながら、ガイドラインの存在を知らなくても国語的に答えを導き出すことに集中。

まず決断したのは、結論部分。「モラール向上により組織の活性化」を決定。この結論にロジカルに帰結する要素を3つほど併記することが私がすべきこと。

A社社員のモラールが高いのは社長のリーダーシップならではなので、その観点を入れよう。あとは事例Ⅰなので組織・人事だ、困った時のサチノヒモケブカイネコだ。

合っているかどうかはわからないけれど、与件文を尊重しつつ、悪くはない解答が用意できた気がする。結論が間違ってたら爆死だな〜

第4問(設問2)|経営統合課程のマネジメントについて、今後の事業展開

最終問題。今更ながら、第4問の(設問2)だったかと戦慄。。。

(設問1)とのつながりを、そこまで意識しないで解答してしまったよ私。怖い怖い怖い。

それはともかく、この問題で一番悩んだのが、「競争戦略や成長戦略の観点から」とう制約条件。これどう捉えればいいんだろ。競争戦略はポーター的に、差別化集中戦略とかキーワードを入れるべきなのか?成長戦略はアンゾフ的に、多角化戦略とか書きゃあいいんだろか。でもこのそれぞれに対応していたら、文字数だけ食って内容がうっすーーーいことになってしまいそう。150字ならともかく、設定は100字。

ということで、今思えばかなり大胆ながら「差別化集中戦略」「多角化戦略」などの戦略カテゴリ名は一切書かないことに決め、完全なるダナドコで解答を記述しました。具体的な戦略カテゴリ名は書かずとも、戦略の内容が合っていれば心は通じるはずだと思ったんですね、あの時の私は。

それにしても、今再現答案を見返すだにほとばしる事例Ⅱ臭… 
でも、サービス満点で存在感をアピールしていた「外国人観光客や若者」「SNS」「公共交通機関」は入れ込んだので、爆死ということはないでしょう。たぶんおそらく願わくば。

総評

全体的な印象は、「悪くない」です。予想得点は70点

むしろこれが悪かったら完全に全滅。事例Ⅰは過去問演習でかなり上下動が激しかった科目なので、それを「悪くない」感触で乗り切ったことで少々安堵しました。

とはいえ勘違い独学者の一番の罠は、この「悪くない」感触だと聞いたことがありますよ。

合格発表、さらには得点開示まで、みなさん一緒にがんばりましょう。

(なにを?)

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